「なぜ新規事業は成功しないのか」(大江建著)のメソッドを使って新規事業のコンサルティングをしています。

グローバル人材を育成しているハノイ貿易大学<

2011年06月05日

(株)総合コンサルティングオアシス
エグゼクティブコンサルタント
大江 建

 2011年の1月4日から3月31日までの3ケ月間、Hanoi Foreign Trade University (ハノイ貿易大学)の学部生20人を対象に、COBLAS(Consulting Baseda Learning for ASEAN SMEs)講座を開講しました。

この講座は「Learning from Helping」という使命感を持って大学の地域貢献を目指すとともに、学生にとっては既存のビジネスから学習する講座です。

本講座は、2002年からASEANの各大学に採用されておりながら、未だベトナムでは開催できておりませんでしたが、このたび、ASEAN事務局の支援で開講することができました。

1月4日と5日、コンサルテイングに必要な経営知識を集中講義し、1月6日に企業訪問、翌7日は、それぞれの企業の戦略の策定し、1月8日に戦略を発表しました。そして、3月7日の中間発表では、講師陣から色々なアドバイスを行い、3月31日が最終発表、というスケジュールでした。

集中講義では、企業分析の方法、SWOT分析、Attribute 分析、消費チェーインなどの経営ツールを講義しました。ハノイ貿易大学の教授が選択した4つの企業のうち、3つの企業は10人以下の零細企業でした。学生は5人一組になってこれらの企業の成長企業にすることが課題でした。
零細企業は、①家具店、②食品メーカー、③配電小物製造企業で、一つの企業だけが170人ぐらいの中堅企業で、配電盤製造メーカーでした。

やはり、最初から心配していたとおり、学生が企業の成長戦略を策定することが難しいようでしたが、社内報を出版することで、会社内のコミュニケーションを円滑にすることを提案して社長に喜ばれておりました。どんな社内報にするか、社内アンケートを実施したり、社内報の内容や編集者を推薦して、eーmailによる社内報第1号を発行しました。

小物製造メーカーを担当したチームは、次から次への新しい製品アイデアを提案したり、ネットビジネスを提案して、ホームページを作成したり、包み紙を無地白色のものを、ブランドが入った包み紙にしたりしました。また、色々なTrade Fairに参加して、即売会を開きました。非常に積極的であるのにびっくりさせられました。

この授業は全て英語で行われ、最終成長計画のパワーポイントやレポートもすべて英語で、確実にグローバル人材を育成している印象を得ました。
COBLASプログラムは理論を実際のビジネスに応用できることで学生に大変好評でした。ハノイ貿易大学だけでなく、今後、ハノイ大学やハノイ経済大学などでもぜひCOBLASプログラムを開講してもらいたいと懇願されました。