「なぜ新規事業は成功しないのか」(大江建著)のメソッドを使って新規事業のコンサルティングをしています。

2月27日から3月2日の5日間「ASEAN人材育成プログラム」をUKMの協力で開催しました。

2012年03月23日

今回は、マレーシアにおける実践のご報告です。
 
「ASEAN人材育成プログラム」を2月27日から3月2日の5日間をマレーシア国バンギ州にあるUKM(マレーシア国民大学)経営学部大学院の協力で開催した。このプログラムは文部科学省の「大学等産学官連携自立化促進プログラム」の一環として、特定非営利活動法人アジア科学教育経済発展機構が早稲田大学研究推進部より委託をうけ、マーケテイングを総合コンサルティングオアシスが協力しました。

ASEAN各国で実施してきた人材育成手法「COBLAS ―Consulting Based Learning for ASEAN SMEs― 」を日本企業の人材育成に利用しようと考えたわけです。 COBLASとは、現地MBA生や学生が「コンサルタント」として現地中小企業の現場に入り、実践の場で経営を学び課題解決にあたる「Learning from Helping」手法です。日本企業のグローバル化にともない、グローバル人材の必要性が出てきています。その必要性に対して、新しい育成プログラムを提供しようとする実験的な取り組みです。
 
■プログラムの特長
今回のプログラムは、今までのCOBLASプログラムと違い、現地中小企業の代わりに、日本企業がコンサルテイングの対象になります。現地の大学生、大学院生、日本企業から派遣された若手幹部候補生と協働して作業します。ローカルの人材を指揮して、リーダーシップを発揮したり、現地の企業人と交渉したりすることから、現地ビジネスのリアルな経験を積むことができます。企業からの各自の課題であるASEAN進出の戦略を策定したいとか、ASEANで商品を販売したいとか、現地の企業と提携したいとか、具体的は課題を5日間で完成する必要があります。各自の課題を、現地大学生とともに、チームを組んで解決する作業を行うことにより、異文化の理解やビジネス環境の理解、異文化コミュニケーション力の向上、ネットワークの構築、チームワークとリーダーシップの発揮、ビジネス戦略フレームワークの理解増進、など主に5つの能力の向上を図ります。短期間ですが、現地で実践的なビジネス体験を積むことにより、コミュニケーション能力やリーダーシップの発揮、商慣行の理解することが必要に迫られて取得することを狙いにしています。
現地の大学と連携して課題解決にあたることで、単なる語学研修とは違う、ビジネスパーソン育成に向けた高い効果が得られます。
 
■プログラムの概要
今回のプログラムには、建設会社、IT企業、ベンチャーキャピタル、化学会社の5社から6人が参加しました。入社1年の新入社員から10年近い勤務歴をもつ社員とか、平均年齢は28歳ぐらいでした。一人を除いて英語で自由にビジネスの話ができるレベルではありませんでした。2月20日に国内研修を行いました。簡単な戦略論の講義とマレーシアについての講義、エレベータスピーチによる自己紹介の練習をしました。現地での研修は、2月27日から3月2日の5日間です。講師陣はUKMのDr. Tih Sio Hong教授、カンボジアのプティサストラ大学の副学長で教授でもあるMr. Steve Patersonと私の3人が当たりました。
プログラムでは、まず1日目は、戦略論の講義があります。ここでは、ビジネスモデルキャンバスやDue Deligenceの分析、アトリビュート分析の講義が用意されています。午後には、各自のチームメンバーに課題を現地のチームメンバーに説明する必要上、エレベータスピーチを納得のいくまで練習します。2日目は、マレーシア政府のインキュベーションセンターの見学とIT会社と「ろうけつ染め」会社を見学しました。伝統芸術をビジネスに以下に結び付けているかを学習しました。3日目は、UKMビジネススクールのEntrepreneurship講座の受講生との会議をオープンカフェ形式で行いました。企業のチームは最終的に6回ぐらい説明をする必要がありました。午後は、UKMのインキュベーションセンターに入居している企業や周辺の企業で、日本企業の技術や事業に興味のある企業が入れ替わり立ち代り話を聞くために企業チームを 訪問しました。4日目は、マレーシア国中小企業庁の今サルティング部長の講演があり、あとはチームが5日目の午後の発表のための資料つくりをしました。5日目は、ASEAN各国COBLAS関係者がチームを訪問して質疑応答の時間を設けました。午後は、各自の課題の成果発表を行いました。原稿なしで英語で発表をしておりました。非常にコミュニケーションに自信がついて感じです。Mojisuu グローバル人材の育成の面でも、必要な5つの力が各自の課題を現地の大学生をアシスタントとしてチームを組んで取り組むプロセスで向上したことは否めません。