「なぜ新規事業は成功しないのか」(大江建著)のメソッドを使って新規事業のコンサルティングをしています。

「カンボジアではじめてのビジネスプランコンテスト」

2011年04月01日

ASEANの各国ではビジネスプランコンテストの開催が盛んになっています。
そのひとつとしてタイのタマサート大学では、Moot Corpコンテスト(アメリカのテキサス大学から始まった事業計画コンテスト)や社会起業家ビジネスプランコンテストが開催されています。
また世界的に有力なコンサルテイング会社であるマッキンゼーの支援をうけて、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、ミヤンマーの大学が参加してMcKinsey Mekong Business Plan Challengeがプノンペン市で開催されています。
これらのコンテストは英語が共通言語ですので、質疑応答も事業計画書もすべて英語です。
カンボジアではまだコンテストは開催されていませんでしたが、COBLASの講座のつづきとして、ビジネスプランコンテストを、プティサストラ大学とCIESF(カンボジア国際教育財団)が共催して第1回コンテストを開催することになりました。
2010年7月1日にキックオフを行ないましたが、第1副首相も臨席され、その模様は広く報道されました。
 その結果9月30日の締め切り日までに115件の事業計画(英語)が集まったことには驚きました。
結果的に10件の事業計画が予選通過し、11月にCOBLASの講座をこれらの予選通過チームに集中講座を開講しました。
彼らの発表を聞いていて、英語が完全に身についているという印象を持ちました。
 
2011年1月15日に最終発表会が開催されましたが、それはプノンペン市で一番有名なホテルで300人もの参加者があり、その席には第1副首相と教育大臣が臨席されるなど、受賞者のみならず参加者にとっては誇れる優秀賞発表食事会であったかと思います。
最優秀賞に選ばれた事業計画は、「清潔な屋台レンタル事業」、第2位の事業計画は、「安全なスクールバスサービス」で、第3位の事業計画は「農作物のリサイクル」でしたが、どの事業計画も社会起業家的事業計画であったのが特徴といえるでしょう。
最優秀賞の副賞として、賞金3000ドルが与えられました。
日本円で30万円ぐらいですが、その価値はカンボジアでは3百万円の価値があると思います。
このように、カンボジアでは起業へのモチベーションを高める工夫がされていますが日本では支援が乏しいことのみならず、学生の能力や意欲の面でも問題があるのではないかと感じています。
それは日本でこのようなコンテストを開催した場合、日本語での事業計画でも受け付けるにもかかわらずなかなか応募がありません。
この起業活動のへの関心の高さの違いに、日本の将来に若干の不安を感じてしまった次第です。